有明海異変は潮位変動に要因 開門調査検討部会 -佐賀新聞-

有明海異変は潮位変動に要因 開門調査検討部会 -佐賀新聞-

http://www.saga-s.co.jp/news/saga.0.2181463.article.html



国営諫早湾干拓事業の開門調査環境の在り方を探る「NPO有明海再生機構総合検討部会」が、佐賀大学で開かれた。検討部会は中間報告で「堤防締め切りの影響は諫早湾や調整池にとどまる」とし、有明海の潮流や水質の変化については、地球規模の潮位変動に要因があると報告した。

 佐賀大学の研究者ら5人がこれまでの研究を発表。九州大高等研究院の田井明助教は「貧酸素化などは諫干事業だけによるものではなく、外海の潮位変動など、より複雑な地球のメカニズムが影響している可能性がある」と指摘。一方で、「諫早湾や調整池の影響が有明海全域に広がる可能性はある」とし、海域での長期的な定点観測の必要性を訴えた。

 開門調査の方法については、九州大学工学院の小松利光教授が「部分開門でも良いが、少なくとも調整池の水質や低湿環境が大幅に改善されるだけの海水量を入れることが必要」とした。
2012年03月30日更新